「誰とやるか」を大切に。 仲間と共に「RRJらしい」 会社であり続けること。

RRJグループ代表

橋満 克文

Interview

04

思い描いていた会社像

次に、会長が思い描いていた会社像について伺いたいです。 RRJをどういう会社にしたかったのか。 当初から明確にあったのか、続けていくなかで自然とこの形になったのでしょうか。

それに関しては、明確にあった、というのが答えです。 これもちゃんとみんなに語っておかないといけないなと思っていて。

RRJは成り立ちの経緯もあり、僕が株を100%持っているので、一応オーナー企業ということになる。 オーナー企業で中小企業というと、たとえば家族経営に移行してぐちゃぐちゃになって、従業員が嫌な思いをして辞める、ということもある。

否定はしないんですよ。二代目でもすごい方はいらっしゃる。 だけど、苦労を知らずに代表になった人は、組織内でハレーションを起こしてしまうこともある。 逆に、古い役員が口を挟み出して、二代目が好きなことをできない、ということも起きる。 これはもう、残念ながらどの会社でも起きている問題で、運命としてある。

だからこそ、早くから引退や承継のことを考えてこられたんですね。

はい。それを踏まえたとき——僕は「50年」と言って、そこから100年、できれば300年続けたい、というビジョンがあるんですよね。

そこまでの意識を持っているから、ブログも細かく書いてアーカイブしているんです。 これは未来の財産にするつもりでずっと書き続けていて、今はAI時代なので、全部分析してデータベース化している。 実は「AI橋満さん」というのを今作っていて、相談したときに「僕は過去にこんなことを言っていたよ」と残るようにしている。 このインタビューも、多分そこに全部入っていくんですよね。

会社が続いていくなかで、創業から50年を過ぎて、僕が亡くなったときに何が起きるかというと、企業価値が上がっていれば、相続税を払わないと誰もこの会社を継げない。 多分すぐには払える金額じゃないので、即時倒産になってしまう。 もう15年くらい前から、僕が亡くなったときに、会社が保険金を受け取れる保険をかけているんです。

そのお金を元手に、会社を買収してもらいたいと思って。 ある程度の金額はもう積み重なっているし、多分それが叶うくらいのお金が入ってくる。

でも、お金を準備するだけでは足りないんです。もう一つ大事なのが、「誰に買収されるか」です。

僕は今、会社を増やしているじゃないですか。その一つが「株式会社ロックンロールジャーニー」です。 この社名にもいろいろあって。当初RRJは「株式会社ロックンロールジャーニー」という名前になる予定だったのですが、システム会社には見えないという理由で、RRJという社名になったんです。 今回は満を持して「ロックンロールジャーニー」という名称を使うことができました(笑)

この会社は、いわゆるオーナー会社ではなく、役員が複数いる体制にしています。 僕がいなくなったときに、保険で入ってきたお金を事業承継費として、親会社であるロックンロールジャーニーがRRJを買収する。 そうすると、僕がいなくなっても会社が存続できる。要するに、僕個人に依存しない形で、会社を残すための仕組みなんです。

社員からすると、その会社の意図はなかなか見えないかもしれません。

そうなんですよ。 「この会社は何のためにあるんだろう」と思っている人もいると思うんですけど、これは、僕に何かあったときに、即時買収をかけて、みんなの雇用を守るための「盾」として置いている企業なんです。

そういう仕組みを持っているので、RRJはこの先も続けていけるだろう、と。 そもそも保険をかけたのが15年前なので、その頃からずっと、このことを想定して動いてきた、という話なんですよね。創業当初から、このビジョンは持っていた。

長くいてくれている人たちが、役員になるか、株主になるか、責任ある立場の従業員になるか。 選び方はいろいろあるし、責任もある。 「老後2,000万円問題」という話もありますけど、会社で大きな退職金を出すのは難しくても、社員が2,000万円を貯めていけるような方策を、会社として共に考えていけるかな、と思っていて。 そこに向かって今、歩んでいる最中です。

創業当初から、「みんなで生き残る」というのと、「みんながちゃんとした老後を迎えて、惨めじゃなく、人に頭を下げないと生きていけない状況だけは避ける」。 そのために会社を従業員のためにどう活用するかを、ずっと考えてきました。

僕は役員によく、「オーナー会社の緩やかな自殺」と言っているんです。 自分で権限を手放していくので、行為としては自殺なんですよね。 だけど、すごく大事なことだと思っているので、そういう仕組みを作り続けています。

長く残ってくれる人には、僕も応えたいと思っています。 「守る」と言われると気持ち悪いと思う人も一定数いると思うんですけど、仕組みとして守られる部分には、素直に受け取ってほしいですね。

ただ、それを制度化・ルール化するのは、今の段階ではしたくない。 気心の知れた、仕事をベースにした仲間がいて、その人の人生に課題が来たときに、ちょっとパッチを当てようとしてきました。 そうやって、まずは人生がブレない状態に持っていく。 会社のあり方は、昔からこの目的に向かって動いています。

「どういう会社にしたかったか」と聞くと、てっきり事業の話が出てくるかと思っていました。 でも、従業員がそんなにいない段階から、未来の従業員のことを考えて動いていた、ということですか。

そうです。

そこまで早い段階から、未来の従業員のことを考えていたんですね。

ちょっと補足させてください。「どんな事業をやっていきたいんですか」と聞かれたとき、答えるのは本当に簡単なんです。 多くの経営者が、「すごいサービスを作って、たくさん儲けたい」とか、かっこいいことを言って、実現できなくてもそれを忘れて、次年度の目標に向かう。 これは別に否定や批判じゃないんです。事業環境は常に変わっていくから。

ただ、そんななかで、大事な従業員に対して、嘘でかっこいいことを言うのは、僕は不誠実だと思っている。 聞こえのいい目標はいくらでも言ってあげられる。 だけど、それよりも「みんなで長く働いて、できれば老後に心配しないようにしよう」。 そのほうが、僕は大事な言葉だと思っている。そのために、会社や事業もあると思っています。

「みんなで長く働いて、できれば老後に心配しないようにしよう」。そのほうが、僕は大事な言葉だと思っている。
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